皆さんこんばんは、ポッキーです。

今日は埼玉県の地ウイスキーを飲みます(∩´∀`)∩

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本日飲むのは、株式会社ベンチャーウイスキーの酒育の会オリジナルボトル「秩父モルトドリームカスク 2008」です。

”酒育の会”については同会のHPをご参照ください。

本品は秩父蒸留所のファーストイヤーである2008年モノの樽出原酒を使用した、200本限定のボトルです。内容量は少なく、一方で価格はけっこう強気なものですが、イチローズ・モルト自体が常時プレミアが付くような人気っぷりで、そもそも飲む機会すらあまりありませんので、手が届く価格で手に入る機会はなかなか逃しづらいものです(ノ∀`)

そんなわけで買っちゃいましたので、それでは早速、飲んでみましょう(*゚∀゚)

名称:秩父 モルトドリームカスク 2008
種類:シングルカスクジャパニーズウイスキー
製造:株式会社ベンチャーウイスキー
容量:200ml 61.3%
価格:5,400円(税込)
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【ストレート】
バニラやチョコレートを思わせる艶めかしい甘さの樽香に、少し青味を伴うドライなウッディさ、ややオイリーなケミカルさ、こんがりと焼けた甘いクッキー、ほんのりとオレンジや杏を思わせる香りを感じます。

口に含むと、オレンジにジューシィなレモン、パイナップルといったフルーティさに、重なるようにして樽材のビター、ヒリリと度数程ではないですが強めのアルコール感、少しケミカルかつミルキィなバニラ風味、少し渋い杏や柿、樽材のスパイシーさ、余韻にかけて麦芽の柔らかい香ばしさが感じられ、鼻からは樽材の木の香りが抜けていきます。

8年熟成ですからウイスキーとしてはそれほど長熟ではありませんが、ベンチャーウイスキーとしては蒸留所初年度からの最長レンジの製品です。

スコットランドよりも温暖な気候の日本で、蒸留所のある秩父は夏場は非常に暑く、四季を通じての寒暖の差も大きいようです。恐らくウイスキー熟成用の樽としては最小クラスの部類に入るバーボン樽等での熟成でしょうし、アルコールの刺激は度数程ではなくそれなりに熟成が進んでいる印象です。

一方で暑い日本の夏を何度も超え、かつ小型の樽ということもあってか香味ともに樽からの影響がかなり大きいようにも思われました。原酒自体がそれほど重々しくない感じのものということもあってか、尚更、樽感を強く感じてしまうようです。

【加水】
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少量加水(ペットボトルのキャップに1/5未満、ほんの数滴)すると、オレンジ風味のバニラ、少しチーズのようなコクある濃厚さ、チョコレート風味の樽香、ツンとドライで少しナッティな木の香り、甘く滑らかなクッキー生地を感じます。

口に含むと、ジンとアルコールの刺激にスパイシーさや少しのケミカルさを伴う杏や柿、ナッツ類を思わせる風味に甘くミルキィなバニラ、余韻にかけてパイナップルや蜂蜜を思わせる麦芽の甘みやコクを感じます。

ハイプルーフな分、少々加水した方がバランスが良くなるように感じました。


トワイスアップ(1:1加水)にすると、ケミカルな溶剤にナッツ類、オレンジやレモンを思わせる甘酸っぱいシトラスフレーバー、柔らかく甘い麦芽糖、薄くスパイシーな樽材の木の香り、バニラやカラメルソースを思わせる甘い香りを感じます。

口に含むと、ケミカルさやスパイシーさを伴う樽香、バニラやナッツ類を思わせる風味に麦芽糖、少し渋い杏や柿を感じます。


少量加水はバランスが良くなるように感じられ、オススメです。ハイプルーフにしてはトワイスアップではやや薄べったさを感じてしまい、あまりオススメはしません。

【ロック】
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オンザロックにすると、くっきりと樽材の木の香り、薄手のチョコレートを感じます。香りはかなり閉じてしまうようです。

口に含むと、軽めのケミカルさからじんわりピリリとアルコール感、ナッツ入りのチョコレート、スパイシーさが混じるがきっちり甘い麦芽糖を感じます。

ハイプルーフの飲みごたえとしっかり目の麦芽の甘み双方が感じられ、やや閉じ気味の香味ながらオンザロックはオススメです。


ハーフロックに(トワイスアップをオンザロックに)すると、軽めのウッディさに同じく軽めのナッティさ、少しのチョコレートを感じます。

口に含むと、薄くケミカルな風味にチョコレート混じりの麦芽糖を感じます。

水割り(1:2加水のオンザロック)にもしてみましたが、甘めでなかなか飲みやすいです。

オンザロックもそうですが、ハーフロック、水割りはケミカルさやスパイシーさが弱まり、甘口で飲みやすいので悪くありません。

㈱ベンチャーウイスキー代表の肥土伊知郎氏がウイスキー造りを学んだのは昭和21年(1946年)ウイスキー製造免許取得の地ウイスキーメーカーである笹の川酒造㈱と、(恐らく)同じく昭和21年(1946年)ウイスキー製造免許取得の地ウイスキーメーカーで生家であった㈱東亜酒造です。

ベンチャーウイスキー自体は新興の蒸留所ですが、製法は意外と水割り等に適した古風なジャパニーズウイスキースタイルなのかもしれませんね。

【その他】
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ハイボールにすると、ほんのりナッツの混じるパイナップルを思わせるフルーティさに薄くオレンジやレモンを思わせるシトラスフレーバー、うっすらと樽香を感じます。

口に含むと、少しケミカルさやスパイシーさはありますが、素直な甘さの麦芽糖、ごく軽めのシトラスフレーバーを感じます。

少しクセはありますが、すっきりとしていてごくごく飲める類のハイボールです。

【感想】
樽感の強い、少しクセのあるウイスキー。好き好きはありそうですが、飲み方次第でそれほど気にならず飲むことができます。コスパは悪いと言わざるを得ないと思いますが、樽買いされた限定品、それも蒸留所のファーストイヤーのものですし、不満を覚えるほどではないといえます。

オススメの飲み方は、本品の個性を感じたいのであればオンザロック、次いで少量加水。単純に飲みやすい方が良ければハイボールまたは水割りです。

ウイスキーブームの申し子のような存在とも言えるベンチャーウイスキー社、イチローズモルトは、限定品商法をとっていることもありますが、出す商品、出す商品ことごとく完売で、すぐにネットで転売されてプレミアが付くという事態が今もって続いています。

その結果、私のような庶民の手元にやってくる機会は極めて少なく、バーでも巡り合う機会は少なく、巡り合ってもまぁスコッチ飲んだ方がコスパが良いかなみたいなところもあり、滅多に飲む機会は訪れません。

そんなわけでイチローズモルトの個性みたいなものはまだまだまだまだわからないままですが、個性を出すべく、また若さを補うべくとかくピートを効かせた地ウイスキーが多い中で、どちらかと言うとシンプルで素直、あまり重々しくもない酒質でやっている印象です。

そうすると早熟で、樽のセレクトにより千変万化してくれそうですが、そこに日本の気候が加わることで樽の影響が強くなりすぎるきらいがありそうで、実際にそうなったのが本品なのかなと思います。

早期にある程度の熟成感を出して製品化しようと思えばバーボン樽などの小さめの樽での熟成が当然だとは思うのですが、日本の気候ですとある程度、大きめの樽にしないと、樽材の風味ばかりが出てしまうのでしょうね。

ブレンドできるシングルモルトはともかくシングルカスクの場合は、ジャパニーズウイスキーにおいて小さめの樽は鬼門かもしれません。

【リピート】
残念ながら限定品です。気軽に手軽にイチローズモルトが飲める日がくることを願っています( ^ω^)

それでは今回はこの辺で。

(=゚ω゚)ノジャ、マタ!!
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