ポッキーの酒的備忘録

日本酒、焼酎、ウイスキー、ビールなどなど、私、ポッキーが毎日のように飲むお酒の私的備忘録です。 テイスティング能力、語彙ともに貧困ですが、記録に残すことで少しづつ慣れていければいいなぁ… お酒との組み合わせ、食事や肴についても記録に残していきます。 自分がリピートする際の参考に。どなたかの参考にもなれば幸いです。

マルス信州蒸溜所(長野)

再び本坊酒造 マルス信州蒸溜所 前編

皆さんこんばんは、ポッキーです。

過日、本坊酒造株式会社の”マルス信州蒸溜所”に二度目の訪問を果たすことができました(∩´∀`)∩ワーイ

以前に訪問した時点では”信州マルス蒸留所”と名乗っていたように記憶しているんですが、2016年に津貫蒸留所ができた頃からではないかと思いますが、”マルス信州蒸溜所”、”マルス津貫蒸溜所”と表記されるようになっています。

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富山県砺波市の”若鶴酒造 三郎丸蒸留所”を訪問した翌日にその足で訪問してきました(・∀・)

前夜に”白馬舘”も訪問していますが、その際マスターに翌日に長野県駒ヶ根市の”本坊酒造 マルス信州蒸留所”を訪問する旨を伝えたところ、旅のお供にと「キリン一番搾り 富山に乾杯」をいただきました(´∀`*)

早朝の出発だったんですが、そんなわけで朝酒からスタートですヽ(○´∀`)人(´∀`○)ノイェーイ♪

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JR飯田線の駒ヶ根駅へ到着。前回も駒ヶ根駅で降りましたし、ここが最寄駅だと思っていたんですが、同じく飯田線の大田切駅や宮田駅も距離的にはあまり変わらない感じがしました。

その辺が気になったのは、駅前でタクシーが全く捕まらずけっこうな時間を待つことになったためです(ノ∀`)
行楽シーズンとかち合ってしまったようで、駅前タクシー乗り場でひたすら待つハメになってしまい、無為な時間を過ごしてしまいました(´・ω・`)

大田切駅や宮田駅が駒ヶ根駅よりも大きいようであれば、そちらの方がタクシーに出会える確率は高いかと思います。行楽シーズンなんかは時間に余裕を持って行動するか、タクシーは予約しておいた方が無難かもしれません。

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さて、お昼ごはんを食べる時間がどうにか確保できそうなタイミングでタクシーが捕まりましたので、前回訪問時の夕食でも訪問していた”南信州ビール直営レストラン味わい工房”へ向かいました。

お昼ごはんを食べる時間を予定に入れていて良かった…ε-(´∀`*)ホッ
急ぎ足で食べることになり、少しゆとりのない昼食となりましたが、途中から食べられないことも覚悟していたのでタクシー車内で胸をなでおろしていました(・∀・)

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他にもたくさんメニューはありますが、主にこんな感じ。詳しくは南信州ビールのHPをご覧ください。

南信州ビール株式会社は本坊酒造が資本参加する第三セクターで、同社のビールを製造する駒ヶ岳醸造所はマルス信州蒸留所と同一敷地内にあります。代表者も本坊酒造㈱の会長が兼任しており、事実上、本坊酒造が運営する地ビール会社です。

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乾杯はマルスウイスキーの「越百」をハイボールで。今、写真を見返してもなぜ南信州ビールにしなかったのか不思議でしょうがないですね(笑)

マルスウイスキーを始めとして本坊酒造の製品がしっかりと揃っています。

越百ハイボールは意外といっては失礼ですがなかなか美味しいじゃないかと。あまり芳しい評判を聞いていなかったもので少しドキドキしながらの注文だったんですが、コスパ等を言い出すとアレかもしれませんが、特に不満は感じませんでした。

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「根羽和牛のビール煮込み」とマルスワインの「メルロー・ベリーA穂坂収穫」にしました(´∀`*)

根羽和牛のビール煮込みはやはり前回も注文したのですが、ホロホロと崩れるほどに柔らかく、赤ワインとの相性も申し分なし(・∀・)

違うものにしようかとも思っていたのですが、少々時間的に焦っていたこともあり、これなら間違いなしとあまり考えずに選びました(ノ∀`)

期待通り間違いのない美味しさで、赤ワインもあまり重たくないフレッシュなものでなかなか美味しかったです。

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ウイスキー冬の時代の訪れと共に、1992年頃から2010年まで蒸留を休止していたマルスウイスキーですが、平成20年(2008年)に底を打ったウイスキーの消費量がハイボールブームにより回復を見せ始めたことから、平成23年(2011年)より再びウイスキーの蒸留を再開しています。

その後、2014年に老朽化の激しかったポットスチルを一新し、それまで使用されていたポットスチルはマルス信州蒸留所でオブジェとして展示されています。

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前回訪問時の写真(笑)行きも帰りも急ぐことになったため、蒸留所の外観等は撮影できませんでした(ノ∀`)
ちなみに駒ヶ根駅からマルス信州蒸留所までタクシーを利用すると、片道2,000~2,500円というところです。

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マルス信州蒸留所の見学は事前予約制です。この蒸留所見学の最大の特徴は「自由見学」であるということです。

ニッカウヰスキーの”余市蒸留所”でもガイドなしでの自由見学は可能ですが、信州蒸留所のように本当にお酒の詰められた樽の眠る貯蔵庫まで勝手に入れるところを私は知りません(笑)

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この樽全てにウイスキーが詰められて熟成していっているんですよね。
穴を開けてストローで吸い出したくなる欲求に駆られませんか?(ΦωΦ)フフフ…

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一つ一つ顔の違う樽。近年はウイスキー業界全体でシリーズ物や限定販売などが流行りになっており、ウイスキーがすっかりお高いものになってしまっています。

マルスウイスキーでも定番品はブレンデッドウイスキーが中心で、シングルモルトは限定品でしか発売されなくなってしまっていますが、2011年の蒸留再開から6年目を迎え少しずつ原酒の貯蔵量も増えているのではないかと思いますし、いずれまたシングルモルトが定番品として発売されるものと期待しています。

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貯蔵庫の次は原酒製造棟です。

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粉砕した麦芽を温水と混ぜて麦汁を製造する糖化室。文字盤による案内に加えて、ボタン式の音声案内もあります。ガイドなしでもウイスキー作りを学べます。

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見学コースと設備の間を隔てる壁はなく、設備までの距離も非常に近いです。設備稼働中は建物中がかなり暑いんじゃないでしょうか。

近すぎて写真一枚に収めることもできません(笑)

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麦汁に酵母を加えてアルコール発酵させる発酵室です。やはり距離が近すぎて(以下略)

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麦汁をアルコール発酵させた実質ビールを蒸留してウイスキーの基”ニューポット”へと生まれ変わらせる蒸留室。

ポットスチルはジャパニーズウイスキーの父、竹鶴政孝氏の書いた竹鶴レポートを基に、同氏の高校の先輩であり同氏をスコットランドに派遣した上司でもある岩井喜一郎氏の指導により設計された”岩井式ポットスチル”です。

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初留、再留を担う2機の岩井式ポットスチル。2014年設置からまだ3年目ですのでキレイですが、前回訪問時と比較するとやや輝きが落ちているようにも見えます。

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アルコール濃度を測定し蒸留工程を調節するスピリットセーフ。窓を開ける鍵は税務署が保管していると聞きますが本当なんでしょうか。

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南信州ビールのものではないかと思われるタンク。せっかくだから南信州ビールの見学もしたかったな、と前回も思った気がします(ノ∀`)

前後の移動時間が長すぎてあまり見学時間が取れないんですよね。じっくり見学しようと思うと1泊する覚悟が必要です。腰を据えて長野県観光にするともっと楽しめそうです。

いつかやりたいなぁ。

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開放されている”常時閉”。こういう緩さは決して嫌いではありません(´∀`*)

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豊かな自然に囲まれ、水の豊富な酒造りにはうってつけの場所だと思います。

アルプスの山々に雪が降り積もり、その雪解け水が地中で濾過され、長い年月をかけて地表に湧き出て、マルスウイスキーや南信州ビールはそれを(実際には地下から汲み出して)利用できるわけですから、実に恵まれた環境にあると思います。

ついでにミネラルウォーターなんかも売ってみては。

長くなりましたので続きはまた後編で。

(=゚ω゚)ノジャ、マタ!!

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マルスシングルモルトシングルカスクウイスキーシェリーバット1065

皆さんこんばんは、ポッキーです。

昨日、当ブログ開設以来の訪問者が1万人を超えました!!
ブログ開設から209日での達成です。こんなに早く、これほど多くの方にお読みいただけるとは、開設時点では想像もできませんでした(つд⊂)ゴシゴシ

世の中には何百万ものアクセスを稼ぐブログもあるようですから、1万という数字は決して多いものではないのでしょうが、自分の書いたものを延べ1万人もの方にお読みいただいたのだと考えると…光栄でもあり気恥ずかしくもあり…感無量です。

インターネットを介してのことですので、お読みいただいている方々のお顔は見えませんが、一度でも当ブログを訪れていただいた方、そしてもしかしたらいらっしゃる何度もお読みいただいている方々に心の底から感謝申し上げます(´∀`*)

おかげさまで開設以来、毎月、訪問者数、アクセス数が増え続けておりまして、
160525_ブログ村酒ブログ洋酒部門ランキング
昨日は訪問者数1万人達成に加えて、「にほんブログ村」の洋酒部門のランキングで、IN部門(当ブログからにほんブログ村へアクセス数ランキング)、OUT部門(にほんブログ村から当ブログへのアクセス数ランキング)、PV部門(当ブログのアクセス数ランキング)で初めて三冠達成できました!!w(゚o゚)w オオー!!

もっともランキングは入れ替わりが激しいので既に陥落していますが(ノ∀`)
短期間でも1位は1位ですよね(笑)

当ブログをお読みいただいている方には感謝の言葉もありませんが、今後ともしっかりと飲酒に励んで、わずかなりと皆様にお楽しみいただけるよう益々がんばっていきたいと思います。本当にありがとうございます!!



さて、そんなわけで今日は、いつ開封しようかと楽しみに取っておいたウイスキーを飲もうと思います(∩´∀`)∩

本日飲むのは本坊酒造のマルスウイスキーです。本品は2001年頃に発売されたウイスキーで、酒販ボランタリーチェーンのエスポアグループ加盟店限定で販売されたものです。私の住む田舎から車で30分程のところにある、時の止まったような古びた酒屋で見つけて購入しました(笑)

マルスウイスキーはバブル崩壊後の1992年から2011年まで約19年間ウイスキーの蒸留を停止していました。本品は1990年に樽詰めされたもので、今や貴重な蒸留停止前の原酒です。

加えて本品はシングルモルト…グレーンウイスキーとブレンドされていないモルトウイスキーだけのウイスキーで、かつ単一の蒸留所(本品の場合は信州マルス蒸留所)で蒸留された製品です。更に本品はシングルカスク…単一の樽の原酒のみを瓶詰めした本当に貴重なウイスキーです。

タイトルに「シェリーバット1065」とあるとおり、信州マルス蒸留所の1065番の樽で熟成させたもので、その樽はシェリー樽の熟成に使用していたものということになります。

2011年から信州マルス蒸留所では再びウイスキー蒸留を開始していますが、同蒸留所訪問時に聞いた話では、現在使用している樽は9割以上、ほとんど全てがバーボン樽とのことで、蒸留停止前の原酒・シングルカスク・マルスのシェリー樽原酒と色々レアなウイスキーです。

なかなか開封する勇気が出なかったのですが、今日は祝杯です、早速飲んでみましょう(*゚∀゚)

名称:MARS SINGLE MALT SINGLE CASK WHISKY Sherry Butt 1065 Aged10Years
種類:ジャパニーズシングルカスクウイスキー
製造:本坊酒造株式会社
原料:モルト
容量:720ml 43%
価格:税込7,000円くらいだったかと…
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シングルカスクですが加水して43%までアルコール度数を調整してあり、カスクストレングス(樽出しそのままのアルコール度数)ではありません。

【ストレート】
強めのスモーキーさ、硫黄、濃いシェリー、皮革、肉類、ゴム、こんがりとトーストのような麦感を感じます。シェリー樽原酒特有の好ましくない香りである硫黄や肉・皮・ゴム系の香りをしっかりと感じます(笑)が、同じくシェリー樽原酒特有の好ましい香りである華やかな甘酸っぱさもしっかりと感じられます。10年熟成ですからそこまで長熟ではないのですが、しっかりと熟成感がありシェリー系のよく熟れた濃厚な甘みが感じられ、好ましくない香りがありつつも、そこまで不快には感じません。

口に含むと、シェリー感たっぷりの甘酸っぱさ、特によく熟れた甘さが目立ちます。次いで硫黄、皮革、肉類、鼻に抜けるスモーキーさが感じられます。後口にはシェリー系のコクと華やかさ、モルトの甘みが感じられますが、タンニンで口中がイガイガします。

【加水】
少量加水(ペットボトルのキャップに1/5未満、ほんの数滴)すると、スモーキーさに黒糖やレーズンなど煮詰めたようなシェリー感、トーストのような麦感、硫黄、ゴムなどを感じます。口に含むと、りんごや杏を思わせるフルーティな甘さ、タンニンの渋み、硫黄、ゴム、皮革、鼻に抜けるスモーキーさを感じます。

トワイスアップ(1:1加水)にすると、スモーキーさや硫黄感は幾分薄れ、その分シェリーの甘酸っぱさを良く感じられます。口に含むと、薄めのシェリー感、モルトの甘み、タンニン、硫黄などが感じられます。全般的に薄くなった感じがあり、やや面白みに欠けるかなという気がします。

【ロック】
オ ンザロックにすると、冷却効果で香りは閉じ気味になり、硫黄感はありますがさほど気になりません。熟成感と濃厚さのあるシェリー香はしっかり感じられます。口に含むと、金属感のある硫黄、スモーキーさ、肉類、奥にシェリーの甘酸っぱさが感じられます。煮詰めたような濃い甘みに少しの酸味が感じられ、シェリー樽原酒の好ましくないクセもありますがしっかりと良い部分も感じられます。

ハーフロックに(トワイスアップをオンザロックに)すると、硫黄や肉類のような香りが目立ちます。奥にシェリー系の甘酸っぱさも感じられ、加水によって薄まる分、すっきりとした香りになります。口に含むと、硫黄、肉類、皮革などの風味とドライな味わいに薄めのシェリー感が感じられます。ウイスキーを飲むというよりはこういう風味のスープを飲んでいるような気分になります。

【その他】
ハイボールにすると、しっかりとスモーキー、少し硫黄、シェリー系の甘さで熟成感、酸味でフレッシュさが感じられます。口に含むと、ダークチェリーのような甘みに少しの酸味が感じられ、ソーダ水がスモーキーさや硫黄感をほどほどに中和してくれています。

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新旧マルスの共演ということで、「Mars Distillery Original」のハイボールに、本品をフロート(適当に注いだだけですが(笑))させてみました。

「Mars Distillery Original」の、というかグレーンウイスキーの穏やかな味わいによって、シェリー樽原酒の硫黄感など好ましくない香味がくっきりとしてしまい、残念ながらこれはイマイチでした(´・ω・`)

【感想】
楽しめる人と楽しめない人が二極化しそうなウイスキー。

硫黄・皮革・肉類などシェリー樽原酒特有の好ましくない香味はあるものの、シェリー樽原酒の良い部分もしっかりと感じられ、熟成感があってアルコールの刺激も比較的弱めです。

良い部分を楽しめる人と、好ましくない部分が苦手でまったく楽しめない人に分かれそうです。私の場合は鼻も舌も決して鋭くありませんので、クセも含めて「あーなるほど、ふんふん」と飲めてしまいます(笑)

決して硫黄感が好きなわけではありませんので、ないに越したことはないんですけどね。

飲んでいて感じたのですが、「若鶴20年」や「ローヤルクリスタル」にスモーキーさや硫黄感などクセが良く似ています。共通するのは地ウイスキーであること、スモーキーであること、(恐らく)シェリー樽原酒であることなどです。ジャパニーズウイスキーの場合は麦芽はほぼ輸入品ですので、恐らく同じようにスコットランドから、同じようにスモーキーなモルトにして輸入して、同じようにシェリー樽で熟成させたのでしょう。

後は蒸留した原酒の個性や出来栄え、熟成期間、熟成環境、ブレンデッドかシングルモルトかシングルカスクか、樽の良し悪し、加水する水などで違いが出てくるのでしょう。マルスは長野、若鶴は富山、ローヤルは山梨と地理的に比較的近いことも影響があるのかもしれません。

本品は1990年樽詰め、若鶴は1990年蒸留、ローヤルクリスタルも1990年代蒸留と思われますので、麦芽にせよ樽にせよ熟成環境にせと近しい要素が多かったのかもしれませんね。

ちなみに3つで比較すると、個人的な好みでは本品が最もシェリー感が濃く、かつ好ましくないクセが薄く、3つの中では最も美味しく飲めています。

【リピート】
残念ながら終売品です。エスポア加盟店で見かけたら、硫黄系のフレーバーが大丈夫な方は購入を検討しても良いと思います。

それでは今回はこの辺で。改めまして訪問者数1万人、本当にありがとうございました。

(=゚ω゚)ノコンゴトモゴヒイキニ!!
|彡。゚+.*:.サッ

本坊酒造 信州マルス蒸溜所

皆さんこんばんは、ポッキーです。

昨夜は日本酒→焼酎→ウイスキーの順でちゃんぽんしていましたら強かに酔ってしまいました。朝になって昨夜更新した記事を読んでみると相当文章が怪しく…(笑)

今日になってかなり書き直しました。酩酊状態で記事を書く心掛けはともかく、今後は酔いの激しい時には更新はやめておこうと思います(;^ω^)

さて、今年の蒸留所巡り三箇所目は、長野県にあります本坊酒造株式会社の信州マルス蒸溜所です。

本坊酒造は焼酎を飲まない方、鹿児島県在住でない方、そしてマルスウイスキーって初耳という方には馴染みのない会社だと思いますが、明治5年創業で、九州に本社を置く酒造会社としては最も多くの酒類を製造している企業で、「貴匠蔵」などの焼酎で知られます。

日本ではサントリーや宝酒造に次ぐ総合酒類メーカーであり、芋焼酎「さつま白波」で知られる薩摩酒造とも源流を同じくしています。知ったかしましたが全部ウィキペディアからの引用です(笑)

昭和24年にはウイスキーの製造免許を取得しています。日本のウイスキー市場シェアの9割をサントリーとニッカウヰスキーが握る状況では、ウイスキー好き以外でご存知の方は少ないでしょうが、「マルスウイスキー」の名称で長くウイスキーを製造してきています。

当初は焼酎と同じく鹿児島県でウイスキーの製造を行っていましたが、山梨県に「マルスワイン」を製造するワイナリー兼ウイスキー製造の工場を建設し、ポットスチルも設置して本格的なウイスキーの蒸留に取り組んでいくようになります。

その後、山梨工場はワイン醸造に集約し、一旦ウイスキー蒸留は鹿児島県に戻ることになりますが、昭和60年に長野県に新たに工場「信州マルス蒸留所」を建設し、再度ウイスキーの製造場所を移転しています。

長野県でウイスキーの製造を行っていた本坊酒造ですが、バブル崩壊、ウイスキーブーム終焉による消費の大幅な落ち込みにより、結局長野県でのウイスキー蒸留は10年間で一旦ストップします。

その後はそれまでに蒸留した原酒を売買するのみとなっていましたが、平成20年に底を打ったウイスキーの消費量が、ハイボールブームにより回復を見せ始めたことから、平成23年(2011年)より再びウイスキーの蒸留を再開しています。

近時はNHKのドラマ「マッサン」によってウイスキーにより注目されるようになっており、2011年蒸留のウイスキーが貯蔵3年を超え、再び新製品のリリースを始めているマルスウイスキーの今後の躍進に大いに期待しているところです。

長くなりましたが要約すると、休みが取れたので信州マルス蒸留所に行ってウイスキー飲んできました、ということです(*´∀`)

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信州マルス蒸留所は長野県駒ヶ根市にあります。最寄り駅はJR飯田線の駒ヶ根駅になり、そこから信州マルス蒸留所まではタクシーで行くのが便利だと思います。料金は片道2,000円少々です。

信州マルス蒸留所訪問前日に駒ヶ根市入り。以前の記事で書いたサントリーの白州蒸溜所に訪問した後、そのまま駒ヶ根市まで行きました。白州蒸溜所の最寄り駅である小淵沢駅から信州マルス蒸留所の最寄り駅である駒ヶ根駅までは、鈍行列車で約2時間程と比較的行きやすいところにあるんです(∩´∀`)∩

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昼食(酒)は白州蒸溜所併設レストラン「ホワイトテラス」で、夕飯(酒)は南信州ビール直営レストラン「味わい工房」に赴きました。

南信州ビールは本坊酒造が出資(100%ではありません)する地ビール会社で、本坊酒造の会長が南信州ビールの代表取締役を兼務しているようです。

本坊酒造以外にも地元食品会社や地元農協が出資しているということもあって、味わい工房では信州の肉や野菜を使ったメニューが揃っており、ご当地グルメの駒ヶ根ソースカツ丼も食べられます。

そして何より「南信州ビール」と「マルスウイスキー」をガッツリ楽しめます( ´∀`)b

看板メニューの「根羽和牛ビール煮」を肴に、南信州ビールは飲み比べセット、マルスウイスキーは「岩井トラディション」をハイボールで、「ザ・リヴァイヴァル2011」はストレートでいただきました。

根羽和牛はいいお値段しましたが、箸で切れ、歯茎で潰せる柔らかさで大変美味しゅうございました(*´∀`)

南信州ビールは季節限定のオクトーバーフェストビールがお気に入り、ザ・リヴァイヴァル2011はまだ若さが目立ちアルコールのパンチ感が強かったですが、マルスウイスキーらしい白木香とバニラ香が楽しめ、熟成の進んでいく今後が本当に楽しみです。

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駒ヶ根市は中央アルプスと南アルプスに囲まれ、信州マルス蒸留所も大自然に囲まれた風光明媚なところにあります。写真では全く風光明媚に見えませんが、当日は雲が多かったからでしょう。写真の技術には触れないようにしましょう。

蒸留所真横は大変綺麗な清流が流れ、アルプスの山々にろ過された水、アルプスの雪解け水が流れる川なのだろうと思います。マルスウイスキー及び南信州ビールは当地の地下から水を汲み上げて使っているそうで、やはり古今東西、良い酒造りには良い水を求めるものなんでしょうね。

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信州マルス蒸留所の見学は事前予約制ですが、到着して受付を済ませた後は「自由見学」です。ウイスキーを貯蔵している貯蔵庫にもスタッフ抜きで勝手に入れます(笑)

「え!?いいの!?」「初めて来た個人客を貯蔵庫に勝手に入らせていいの!?」とこちらが不安になりましたが、全工程完全自由見学です(笑)

2011年に蒸留を再開したマルスウイスキーですが、2014年にはポットスチルを新しいものに変えています。2014年までの古いポットスチルは少し上の写真のもので、信州マルス蒸留所の敷地内に飾られています。まだ2014年冬~2015年春の一期しか使用していないとのことで、ポットスチルはピカピカでした。

残念ながら今期の蒸留開始は私が訪問した1~2日後からとのことで、蒸留の風景を見ることはできませんでしたが、蒸留に向けて設備の清掃や水洗いが進められており、それはそれでレアな風景だったのかな、と思います。蒸留開始日が「多分、明日か明後日から」とはっきり決まっていないあたり、のどかな緩さを感じられました(笑)

2011年まで使用されていたポットスチルは、通称「岩井式ポットスチル」といいます。岩井というのはかつて本坊酒造の顧問であった岩井喜一郎氏のことで、マルスウイスキー「岩井トラディション」にもその名が使われています。

岩井喜一郎氏はニッカウヰスキー創業者である竹鶴政孝氏(マッサン)の高校の先輩(在学期間は重複していない)にあたり、竹鶴政孝氏が高校卒業後に大阪の摂津酒造に就職するに際しては、高校の先輩で摂津酒造の常務になっていた岩井喜一郎氏を頼ったようです。この摂津酒造が本格的なウイスキー生産を目指して、竹鶴政孝氏をスコットランドに派遣したことが、ジャパニーズウイスキー誕生の第一歩であったと言えます。

竹鶴政孝氏帰国後に岩井喜一郎氏らは「ウイスキー実習報告書」、通称「竹鶴ノート」を受け取りますが、第一次世界大戦後の戦時特需終了からの不景気の煽りを受け、摂津酒造はウイスキー製造事業に進出することはできませんでした。その結果、竹鶴政孝氏は摂津酒造を退職し、サントリーで初代山崎蒸留所工場長を務めた後でニッカウヰスキーを創業することになります。

岩井喜一郎氏も後に摂津酒造を退任し、本坊酒造の顧問に就任します。そして竹鶴ノートを基に「岩井式ポットスチル」を設計するなど、本坊酒造がウイスキー製造に乗り出すに当たって蒸留所設計や指導に携わっていったわけです。

岩井喜一郎氏も竹鶴政孝氏も何となく大昔の人物のような気がしますが、ほんの2014年まで岩井式ポットスチルが現役であったというのはなかなか衝撃的でした。ちなみに2014年に新しくしたポットスチルについても、設計は岩井式ポットスチルを踏襲しているのだそうです。

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蒸留所見学を終えた後は、お楽しみの試飲タイムです(^v^)朝一で行ったので誰もいませんでした(笑)飲んでてほどなくして観光バスが入ってきて賑やかになりました。南信州ビールは工場が信州マルス蒸留所に併設されており、併せて試飲やお土産購入することができます。

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無料試飲として、信州名産の竜峡小梅を信州マルス蒸留所で蒸留したブランデーで漬け込んだ「竜峡梅酒」と長野県限定ウイスキーの「信州」を飲むことができます。更に、蒸留所見学をネット予約した場合には、特典としてウイスキーをもう一杯か南信州ビールを一杯追加で無料試飲できます(∩´∀`)∩

有料試飲は南信州ビール、マルスウイスキーの現在の定番商品に加え、現在蒸留をやめてしまったブランデーや、抹茶や柚子の香味をつけて蒸留した(浸漬したのではない)新感覚スピリッツも飲めました。カクテルの素材として注目されているそうです。

その他、写真アップ禁止されたものも含めて「色々」飲むことができました( ^ω^)わざわざ行った甲斐はあったと思います。

スタッフの方との話もサントリーやニッカウヰスキーのような超大手と違って気さくに会話でき、南信州ビールが「けやきひろばビール祭り」などイベントに出展する際の苦労話や、マルス蒸留所では売切れだけど◯◯はまだどこそこに行けばあるよ、とか社長の猫の話とか(笑)

90年台の蒸留停止前の超熟モルトですが、本坊酒造の方針として「ウイスキートーク」などのウイスキー関連イベントでの限定販売が原則になるそうです。90年台前半までに蒸留したウイスキーですから、20年超熟成の超熟モルトとなります。

そうなると価格も広く一般が手を出せる気軽な値段にはとてもできないはずですし、そもそも蒸留停止後もずっとウイスキーの販売は続けていましたので、残るウイスキーの量もたかが知れてるはずです。

それを考えると、金に糸目をつけないコアなウイスキーファン向けに、イベント等での限定販売とした方が、確実な売れ行きが見込めますし、公告宣伝費の削減にもなるのでしょう。

田舎住まいであまりイベントなどに出向けない貧乏ウイスキーファンとしては残念ですが、本坊酒造がウイスキーの蒸留を再開してくれたことは本当に嬉しく、今蒸留しているウイスキーがいずれ超熟の時を迎えることでしょうから、それらを手が届くお値段で飲める日が来ることを楽しみに待とうと思います(*´∀`)

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さて、移動のスケジュールもあり、昼前には信州マルス蒸留所を後にしまして、昼食は駒ヶ根駅からそう遠くない蕎麦屋の「喜野ヤ」で取りました。昔から信州といえば蕎麦ですよね(∩´∀`)∩「天せいろ」の確か大盛りにしたと思いますが、美味しくてペロリといけました( ^ω^)朝酒の後の〆に蕎麦なんて最高ですよね(*´ω`*)

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昼食後は鈍行列車8時間半の旅でした…本当に本当に疲れましたが、車窓からアルプスを眺めながらの南信州ビールは旅情に溢れ電車内の時間を楽しくさせてくれました。電車に乗るとビールとか駅弁とか普段の何倍も美味しく感じますよね(笑)

それでは今回はこの辺で。

(=゚ω゚)ノジャ、マタ!!

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