皆さんこんばんは、ポッキーです。

今日はかつて地ウイスキーの製造を行っていた、東亜酒造のウイスキーを飲みます(∩´∀`)∩

東亜酒造は寛永2年(1625年)創業の酒造会社で、日本酒や焼酎を製造しています。そして、かつてはウイスキー製造も行っており、埼玉県羽生市の羽生蒸留所で自社でのウイスキー蒸留も行っていました。

バブル崩壊後、日本では本当に多くの企業が倒産しましたが、酒造会社もその例に漏れません。私の住む田舎でもそうでしたし、全国的にもたくさんの酒造会社が倒産しました。地ウイスキーを製造していた企業でも、バブル崩壊前後からウイスキーの消費量が右肩下がりになっていたことから、ウイスキーの製造をやめてしまったり、企業自体が倒産してしまったところも多くあります。

東亜酒造の場合も、経営状態の悪化から2000年を最後にウイスキーの蒸留を停止し、民事再生法の適用となりました。その後、同社は2004年にはみりん、醸造酢など調味料製造を行うキング醸造の傘下入りとなっています。キング醸造の傘下入り後には、東亜酒造のウイスキー事業撤退が決定します。

当時はウイスキー冬の時代で、消費量は引き続き落ち込み続けていましたし、長期間の貯蔵が必要で在庫負担の大きいウイスキー事業に、光を見いだせなかったのだろうと思います。

ウイスキー事業撤退に伴い、東亜酒造で貯蔵していた数百に及ぶウイスキーの樽とその中の原酒についても廃棄されることが決定したのですが、その後どうなったかはご承知の方も多いことと思います(・∀・)詳しくは「ベンチャーウイスキー」の記事をご参照ください。


(・ω・ノ)ノオイトイテ


東亜酒造のウイスキーは、自社蒸留のものと輸入したスコッチをブレンドしたものや、シングルモルトでも販売をされていました。本日飲む「ゴールデンホース」は東亜酒造のウイスキーのブランドネームで、同社のウイスキーの銘柄の多くで使用されていたようです。

東亜酒造時代の原酒も活用したウイスキーを販売して、大きく名を上げたイチローズモルトを見てもわかるように、東亜酒造の地ウイスキーはなかなかに力のあるものが多かったようです。かつて同社は「地ウイスキーの東の雄」と称されていたのだとか(´∀`)

ちなみに西の雄は本坊酒造のマルスウイスキーだそうです。

本日飲む「ゴールデンホース 樽出しブレンド」は、その名の通りブレンデッドウイスキーです。また、モルトウイスキーとグレーンウイスキーに加えて、醸造アルコールも使用され、アルコール度数もかなり下げられた、いかにも地ウイスキーらしい造りになっています(笑)

最もその分、お値段はかなりリーズナブルになっていますが (´▽`)

それでは早速、飲んでみましょう(*゚∀゚)

名称:ゴールデンホース 樽出しブレンド
種類:ジャパニーズブレンデッドウイスキー
製造:株式会社東亜酒造
原料:モルト、グレーン、ブレンド用アルコール
容量:1,500ml 37%
価格:はっきりとは不明だが1,500円未満
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フルボトル2本分の1.5リットルで1,500円未満という格安のお値段に驚かされます。
そして、およそウイスキーを入れるとは思えない形状のペットボトル(笑)
調理酒やみりんなどの方が似合う容器ですよね(゚∀゚)

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キャップを開けると…絶対、調味料用だこれ(笑)

【ストレート】
樽香にツンとアルコールの揮発感、ビターなオレンジ、湿度の高い土間、ママレード、古びた木造家屋を思わせる香りがします。

いかにもな地ウイスキーの匂いとも思いますが、柑橘類の香りやフルーティな甘みも感じられ、値段の割りには悪くなさそうな印象です。土間や木造家屋のような香りは樽と日本の熟成環境から来るものなのでしょうかね。

口に含むと、ピリピリとアルコールの刺激、オレンジ、煮た小豆、ビターな樽香、杏を感じます。

地ウイスキーって何となくみんなこんな味だよね、と思う向きはありますが、これまでに飲んできた安い地ウイスキーと比較するとかなり上の方に位置する味なんじゃないかと思います。割合モルトウイスキーの比率が高いんじゃないでしょうか。


(・ω・ノ)ノオイトイテ


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さて、ラベルの記載を読んでみると、空気を含ませるとウイスキーがリフレッシュされて香りも良くなり楽しめます的なことが記載してありますので、今回は開封直後の味を見るだけにして、いっそのことしばらく置いておいて、少し変化を見てみようと思います(´∀`*)

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というわけで一月半程置いておいたものがこちらです(・∀・)
思い出した時に瓶を振って、空気を含ませるようにしていました。

【ストレート】
スモーキーさにビターなオレンジ、ママレード、少し粉っぽいクッキー、湿度の高い土間、古びた日本家屋の香りを感じます。

アルコールの揮発感や地ウイスキーらしい湿気や古びた木材、土間のような香りは幾分落ち着き、その分、甘みを強く感じることができます。嫌な香りが飛んだということなのか本来の香りが開いてきたということなのかわかりませんが、一定期間置いたり空気を含ませたりするのは正解のようです。

口に含むと、じんわりとアルコール、お汁粉、ママレード、杏、樽香、木材のエグみを感じます。美味しいかというとそうでもないのですが、普通に飲めます。価格を考慮するとかなり驚きです。

他の醸造アルコール添加の地ウイスキーや安ウイスキーを飲む時にも、開封して一定期間置いてみることで、プラスになるかはともかくマイナス面を多少なりと減らすことができるかもしれませんね。

【加水】
少量加水(ペットボトルのキャップに1/5未満、ほんの数滴)すると、古びた樽香、湿気、薄く蜂蜜やビターなオレンジを感じます。口に含むと、ピリピリとアルコールの刺激、樽材、木材のエグみ、薄くシトラスフレーバー、薄手の蜂蜜や黒蜜のような甘みを感じます。

トワイスアップ(1:1加水)にすると、薄手のオレンジやママレードを思わせる香り、レモンを思わせる酸味のある香り、湿気た木材、チョコレート、少しのスモーキーさを感じます。口に含むと、粉っぽさにほのかに麦芽糖のような甘み、ビターな樽の木材の風味を感じます。元々のアルコール度数が低めなだけに、ここまで加水してしまうとかなり薄べったくなります。

【ロック】
オンザロックにすると、樽材の湿気やエグみ、ビターな樽香、薄手のシトラスフレーバー、薄くママレードを感じます。口に含むと、煮た小豆、樽材のビター、エグみ、黒蜜を感じます。

ハーフロックに(トワイスアップをオンザロックに)すると、土間を思わせる湿気た香りに樽香、ほのかな甘みを感じます。口に含むと、ビターな樽材にごく薄手の甘みを感じます。トワイスアップ同様に、かなり薄べったくあまりオススメできませんが、冷却されてトロミが感じられ、トワイスアップよりは飲みやすいです。

【その他】
ハイボールにすると、ごくごく薄く湿気や甘みを感じますがほとんど香りは立ちません。口に含むと、トロミのある口当たりにヒネ香や湿気、少し薄まってくるとほのかに甘く口当たりも柔らか目で一気に飲みやすくなります。個性的ではありませんが、さっぱりと飲みやすくオススメです。

コークハイにすると、元々個性が乏しいこともあって特段変哲のないコークハイになります(笑)エグみなども感じられなくなるので大変飲みやすくはあり、オススメです。

【感想】
ハイボールなど炭酸割り専用機といった感はあるものの、価格を考えると十二分なクオリティ。

特筆すべき何かがあるわけではありませんが、大容量で炭酸との相性は良く、お財布に優しいエコノミークラスのウイスキーです。ハイボールが一番オススメで、飲みやすいですよ(´∀`)

これまであまり美味しいと思えないウイスキーに当たったら、ハイボールなどでさっさと消費するようにしていたのですが、デキャンターに移すなど空気に触れさせることで良い変化も起こりえることを、今回実体験できました(∩´∀`)∩

本品は軽めのボディで、樽由来のエグみやビターさはあるものの、ママレードなど柑橘系の風味が感じられるものでした。これがイチローズ・モルトの原点なのかと思うと飲む機会に恵まれて良かったです(´∀`*)

【リピート】
終売品ですし東亜酒造はウイスキーの製造を止めていますので、リピートとはいかないでしょうが、その分イチローズ・モルトを飲む機会にたくさん恵まれると嬉しいですね(笑)

それでは今回はこの辺で。

(=゚ω゚)ノジャ、マタ!!
|彡。゚+.*:.サッ