皆さんこんばんは、ポッキーです。

先だってテイスティングした「オールド・マスター」ですが、経年による揮発で液面低下しており、明らかにアルコール度数が低くなっていたことから、本来のコンディションではありませんでした。まだ飲める状態であったのは幸いだったんですけどね(´・ω・`)

さて、飲用可能ですがアルコールが揮発してしまっているオールド・マスターについて、「じゃあアルコールを足せば復活しないだろうか?」という、圧倒的な素人感覚を基に今日の記事をお送りします。

水やソーダ水やコーラなど、お酒に合わせるソフトドリンクのことを割り材と言います。高いアルコール度数をソフトドリンクで割ることでアルコール度数が低くなり、飲みやすくしてくれることから割り材と呼ぶのでしょう。してみると、今回の試みは、他のお酒を掛け合わせることでアルコール度数を高めることから、掛け材と呼ぶのが適当ではないか。そんな(安易な)考えから、今日のタイトルは「掛け材」です( ^ω^)

掛け材として使用するのは、なるべく雑味が少なくて基のウイスキーの味を阻害せず、アルコール度数だけを高めてくれるものが理想と思われ、そうなると最も適任であるのはやはりこのお酒でしょう。

名称:スピリタス
種類:ウォッカ
製造:ポルモス・ワルシャワ
容量:500ml 96%
価格:約1,500円
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ポーランドが誇る(?)世界最強のアルコール度数のお酒、ウォッカ「スピリタス」です。蒸留を繰り返すこと70数回という凄まじい工程を経て、この96度のお酒は誕生します。これを酒と呼ぶことが適切なのか、若干の不純物が混じったアルコールと呼ぶことが適切なのではないか、スピリタスを見る度いつも悩んでしまいます。

それはさておきテイスティングしましょう(・∀・)

【香り】
少量を加酒精(笑)すると、ストレートで感じられた微細な香りがアルコール感に封じ込められます。加水によって香りが開くのであれば、加酒精によって香りが閉じるのもまぁ合点がいくところです。酒精の量を増やすと、消毒臭さが支配的になりますが、奥から麦芽の甘い香りが漂ってきます。アルコール感の強い、若いウイスキーになった感じです。
【味】
香りほどにはアルコールが支配しませんが、微細な香味はアルコール感に封じ込められてしまっています。しかし、オールド・マスターの「煮た小豆」のような熟成した麦芽の甘みの後からアルコールの刺激がやってきて、それなりに飲めるウイスキーに仕上がっています。

ただ、スピリタスとオールド・マスターがバラバラで、同じグラスでブレンドしているのに二種類のお酒を同時に飲んでいるかのような感じになります。しっかり混ぜたんですが両酒が平行に走っている感じです。

1:1に加水することをトワイスアップと言いますので、トワイスダウン(1:1で加酒精)にすると、いよいよ消毒臭でオールド・マスターの香りが薄れ、グラスからはアルコール感ばかりが漂ってきます。しかし、飲むと麦芽の甘みはしっかりとしますので、割と悪くない印象です。

トワイスダウンしたものに少量加水すると、香りが開いて麦芽の甘い香りが強まりますが、同時にスピリタスの香りも開きます(´゚ω゚):;*.:;

そうでしたスピリタスもお酒なんですから、加水で香りが開いてもおかしくないですね(笑)従ってオールド・マスターだけでなくスピリタスも開きます(笑)少量加水はかえってアルコール感を引き立て、飲みづらくなってしまいます。

トワイスダウンしたものをトワイスアップ(1:1加水)(もはや何をしているのかわかりませんね(笑))にまで加水量を増やすと、アルコールの刺激が薄れ、シェリー樽由来と思われるタンニン感が出てきます。麦芽の甘みと合わさって、何だか「それっぽい」感じになりますw(*゚o゚*)w

ただやはりオールド・マスターとスピリタスがチグハグなのは解消されず、単一のウイスキーを飲んでいるというよりは、複数の酒類を掛け合わせたカクテルを飲んでいる感じになります。
【評価】
それなりに悪くないが、バラバラの風味はごまかせません。それっぽくはなりますが、ドーピングのようなもので、真の実力があるわけではないです。ただ、そこそこ美味しいです( ^ω^)

さて、そこそこ飲めるものに仕上がりましたので決して悪くないのですが、ここで諦めては面白くありません(笑)
チグハグさを解消させるためにマリッジもどきをさせてみようかと思います。マリッジというのはウイスキーの専門用語で、ブレンドしたウイスキーを樽などで再貯蔵することで、親和性を高めるというものです。

オールド・マスター×スピリタスも、樽で再貯蔵というわけにはいきませんが、ブレンドした後、瓶などに入れてしばらく置いておいてみようと思います。まぁマリッジというよりは、焼酎でいうところの前割りですね。

今回は前掛け(笑)ですが、数日置いておくことで、一体感が強まることを期待したいと思います。





さて、丸4日程置いてみたオールド・マスター×スピリタスがこちらです(・∀・)
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【香り】
スピリタスの消毒臭が鼻を突くが、スワリング(グラスの中でお酒をくるくる回すこと)すると消毒臭が鳴りを潜め、煮た小豆を思わせる濃厚な甘み、ダークチェリーを思わせる柔らかな酸味、レーズン、古びた樽香が姿を見せます。奥にアルコール感も残っており、なかなか悪くない感じです。

ごく少量加水することでアルコール感は一気に後退し、煮た小豆、紅茶、ニカワ、古びた樽香などがより鮮明になってきます。

トワイスアップ(1:1加水)まで持って行くと、シェリー樽由来と思われる渋みと酸味が力強さを増します。甘みだけでなく、渋みと酸味が渾然一体となったふくよかな香りです。
【味】
煮た小豆の濃厚な甘みと紅茶の渋みに、アルコールに掻き立てられたスパイシーさがビリビリとやってきます。後口にアルコール感はありますが、あずきアイスを食べた後のような、濃縮された麦芽の甘みが長く響いて楽しませてくれます。甘み、酸味、渋み、辛味と多様な風味が口中を駆け巡り、スピリタス添加前のオールド・マスターよりもお酒らしさが増しています。

割ってすぐよりも明らかに親和性が増しており、知らないと二種類のお酒を混ぜているとは判別できないと思います。スピリタスを添加する行為そのものの是非はともかくとして、前掛け自体はやはり効果がありますね。

ごく少量加水することで、ビリビリきていたスパイシーさがいくぶん後退し、ピリピリくらいになります(笑)その分、麦芽の甘みをしっかりと堪能でき、ゆっくりと楽しむことのできるクオリティを持った酒と言ってよい状態になっています。

トワイスアップでは、スパイシーさもすっかり抑えられ、変わって紅茶的な渋みや酸味が麦芽の甘みと入り混じり、非常に調和してバランスの良い味わいとなります。スパイシーさやアルコール感も程良く残り、トワイスアップが最もバランスが良いように感じます。

ハーフロックに(トワイスアップをオンザロックに)すると再び煮た小豆の甘さが強まりますが、後口を渋みと酸味が引き締めてくれるので、甘みでだれてしまうことはありません。そこから更に加水量を増やすと、小豆の甘みが漂う実にスムーズな飲み口になります。熟成された麦汁という感じです。

オンザロックでは、麦芽の甘みと後にスパイシーさがキリッと引き締めてくれます。香味は限定されますが、後口の清涼感は他の飲み方では感じられないものです。
【評価】
スピリタスを添加することにより抑えこまれてしまう香味はあると思います。また、せっかくの高級ブレンデッドスコッチに対する冒涜と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、濃縮した麦ジュースのようでもあった添加前よりも、若さを取り戻したウイスキーのような香味となり、個人的には面白い試みでした。

液面低下しているウイスキーを飲むことも、購入することも、オススメはできません。また、せっかくの質の高いウイスキーに敢えて混ぜ物をすることも決して推奨はされないと思います。あくまで素人の思いつきと捉えていただきたいところですが、予想以上に上手くいきましたので、手元の他のウイスキーが液面低下しているようでしたら、私はまたやってしまいそうです(ノ∀`)

万一やられるのでしたら、突然ボトルにスピリタスを注ぐのではなく、今回の私のように別の瓶などに少量移して試してみるのがよろしいかと存じます( ^ω^)

それでは今回はこの辺で。

(=゚ω゚)ノジャ、マタ!!
|彡。゚+.*:.サッ