皆さんこんばんは、ポッキーです。

昨日に引き続き、若鶴酒造の地ウイスキーを飲みます。垂直試飲(生産年度の異なる同じ銘柄のお酒を飲み比べること)というやつですね(∩´∀`)∩
20年と銘打ってありますが、蒸留年は1990年でボトリングが2014年ですので24年ものとなります。大らかというか適当というか…(笑)大手ではあり得ませんが、こういう緩い感じは大好きです(・∀・)

名称:サンシャインウイスキー20年シングルモルト 1990-2014
種類:ウイスキー(シングルモルト/ジャパニーズ)
製造:若鶴酒造株式会社
容量:300ml 59%
価格:5,400円(税込)
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【香り】
ストレートでは、アルコールのパンチに樽の焦げ感、皮革、杏香、ピートと硫黄。いささか香りが閉じているのか香りがくぐもっている感じがします。

少量加水すると、アルコールの刺激が後退すると共に、くぐもった感じが薄れ、ピートと硫黄、杏香がします。

トワイスアップ(1:1加水)まで加水すると、梨やリンゴ、杏の香りにピートの香りが漂います。アルコールの刺激はかなり後退し、熟成感のある果実香とピートの香りとなります。

【味】
ストレートでは、チェリーとマンゴー。アルコールのパンチはかなり強めで、少しピーティ、硫黄、オイリーで蝋のような香味も感じられます。濃密な甘さが最初きて、熟成感を感じられます。後口には渋みがあります。

少量加水すると、パイナップルにピート、硫黄。引き続きアルコールの刺激は強めです。

トワイスアップにすると、アルコールの刺激はかなり後退し、ピートの香ばしさと麦芽の甘み、少しの硫黄、パイナップルのような甘酸っぱさも感じます。

ハーフロックに(トワイスアップをオンザロックに)すると、麦芽の甘み、青りんごや梨、ピートと硫黄を感じます。アルコール感は相当に薄れ、ピートがお好きな方にはかなり飲みやすくなっていると思います。オンザロックでは、杏やマンゴー、ピートや硫黄に混じった甘酸っぱさが感じられ、アルコール感もありますが、ハーフロックよりもどっしりとした飲みごたえがあり美味しいです。

ハイボールにすると、最初にピートと樽の木材質が感じられ、その後、杏や枇杷のような優しい甘さが感じられます。ハイボールですがぐびぐび飲まずにバーカウンターなどで落ち着いて飲みたくなります。

【飲み比べ】
「若鶴20年 1995年蒸留」と「若鶴20年 1990年蒸留」(本品)で飲み比べをしてみます。値段は同価格です。
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外観:1995年の方が箱のラベルが小さくなっています。ボトルは1990年は「EXTRA SPECIAL WHISKY」と表示されていますが、1995年では「SINGLE MALT WHISKY」と記載されています。箱ラベルはどちらも「EXTRA SPECIAL WHISKY」で、どちらもシングルモルトウイスキーです。

色味:1995年の方が少し濃い琥珀色をしています。

香り:1995年は樽感が強いのか杏香が強く感じられ、1990年は麦芽の甘みが強く感じられました。どちらもピーティで硫黄感がしっかりあり、強烈なクセを感じます(笑)

味:1990年の方がアルコール度数が強い(59%)分、よりすっきりとした印象です。フルーティーな酸味をしっかりと感じる他、色々な香味がそれぞれくっきりと感じられるように思います。アルコールに乗って香りが立つせいかと思います。1995年はアルコール度数が低い(それでも50%あります(笑))分、まろやかでとろみが感じられます。どちらも硫黄感や後口の渋みなどは共通するところで、やはりかなり強烈なクセがあります。

評価:品質は甲乙付け難く、互角だと思いますが、好みとしては1990年の方がクリアで色々な香味をくっきり感じられることから好きでした。

【評価】
ジャパニーズウイスキーらしくない個性の強さが逆に嬉しいです。
本品も1995年蒸留もですが、開封してしばらく期間をあけることで香味が開いてきそうな印象です。まだ20年の眠りから覚めていない感じがします。現時点ではジャパニーズウイスキーとしては恐らくレアな、大変クセの強いウイスキーです。しばらく置いておいてから改めて飲んでいこうと思います。

ジャパニーズウイスキーとは思えない強いクセが共通点ですが、どうやら若鶴酒造はウイスキー蒸留用のいわゆる銅製ポットスチルを所有していなさそうで、焼酎を蒸留するのと同様の単式蒸留機(ステンレスなど)でウイスキーを蒸留しているようです。

若鶴酒造は工場見学なども行っていますが、いくら検索してもポットスチルの画像が出てこず、ネットの書き込みが情報源ではありますが、焼酎蒸留用の単式蒸留機で蒸留しているようだ、とのことでした。ウイスキーを銅のポットスチルで蒸留するのは、「ウイスキーマガジン」の記事によると硫黄化合物を銅が吸着してくれるのだそうで、独特のクセや硫黄感はそのあたりが影響していそうです。

また、麦芽の甘みは「オールド・マスター」を思い出す煮た小豆感がありますが、麦芽をスコットランドから輸入しているそうですので、それもまた納得できるところです。ピートの効いた麦芽を輸入しているのかもしれませんね。

【リピート】
2013年から3年連続でリリースされており、来年もリリースされれば購入対象として検討します。

2014年は1990年蒸留、2015年は1995年蒸留ということで、間はどこに行ったのでしょうか。蒸留を休止していた可能性もありますが、日本酒がメインの酒蔵ということもあってとかくウイスキーに関しては情報は少なく、本品もHPには全く記載がないなどなかなかわかりづらいです。ただ、現在高島屋オンラインストアで、1990年蒸留を25年モノ(税込32,400円)、1995年蒸留を20年モノ(税込12,960円)として販売されています。

恐らくですが、来年以降は1991年~1994年蒸留のものは25年モノとして売り出し、1996年以降蒸留のものを20年モノとして売り出すのではないかと思われます。また、2013年版若鶴20年、2014年版若鶴20年がアルコール度数59%であったのに対して、2015年版は50%でした。毎年、出してすぐに売り切れになっていたように思いますので、高島屋で販売することなども踏まえて、2015年は若干加水してボトリング本数を増加させたのかもしれません。

本当に情報が少なく、いずれ若鶴酒造に工場見学に行って聞いてみたいところですが、現在もウイスキーを蒸留し続けているのか、既に新規の蒸留はやめているのか、仮にやめているとすればいつまで蒸留していたのかなどは全くもって不明です。

願わくば蒸留をずっと継続されておられ、今後も定期的なリリースがあらんことを。ハイボール、マッサンブームで日本のウイスキー市場は活況を呈していますし、海外も新興国を中心にウイスキー需要が伸びています。日本の地ウイスキーも久々にビジネスチャンスだと思いますので、大いに頑張ってほしいものです。

それでは今回はこの辺で。

(=゚ω゚)ノジャ、マタ!!
|彡。゚+.*:.サッ