皆さんこんばんは、ポッキーです。

昨日」までに引き続いて、シングルモルト山崎の垂直試飲パート4です( ^ω^)
今日は「垂直試飲」と言って良いでしょう( ´∀`)b

名称:シングルモルトウイスキー山崎12年
種類:ウイスキー(シングルモルト/ジャパニーズ)
製造:サントリースピリッツ株式会社
容量:180ml 43%
価格:2,850円
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【香り】
ストレートでは、蜂蜜とりんご、古びた木、柿とバニラの香りがします。最初に濃密な甘い香りが漂い、奥からすっきりとした香りがやってきます。上品で繊細、多層でありながら渾然一体となった香りです。素晴らしい。

ごく少量加水すると、シェリー樽由来と思われる、イチゴを思わせる華やかな甘酸っぱい香りが噴き出してきます。併せて甘い麦芽の香りと濃いチョコレートのような樽の香りがします。

トワイスアップ(1:1加水)にすると、ママレードのような甘酸っぱさ、少しエキゾチックなスパイシーさ、白木と麦芽の香りがします。延々と嗅いでいたくなる素晴らしい香りです。
【味】
ストレートではアルコールの刺激は強めですが、その刺激に併せて華やかな甘酸っぱさが口中、そして喉の奥を駆け巡ります。落ち着いて二口、三口と飲み進めると、蜂蜜のような麦芽の甘さが感じられ、上質な渋みが後口を引き締めてくれます。素晴らしい。すごく美味しいです。

ごく少量加水すると、甘酸っぱさ、チョコレート、バニラが合わさっていちごチョコレートのような風味になります。上質な渋みが後口を引き締めてくれるのは変わらず、個人的にタンニンは苦手なのですが、とても上質な渋みで好ましく受け入れられてしまいます。

トワイスアップでは、甘い柿、甘酸っぱいイチゴ、甘い麦芽、チョコレート。最後に渋みがやってきます。とても飲みやすいですが扁平ではありません。多様性を保ったまま、とても飲みやすくなっています。ただ、加水量が増えるに従って酸味が薄れていく印象です。

ハーフロックに(トワイスアップをオンザロックに)すると、渋みやビターなチョコレート感が前面に出てきます。逆に後口にイチゴの酸っぱさと甘い麦芽を感じられます。

オンザロックでは、甘酸っぱいブドウ、麦芽とチョコレートの甘みと上質な渋み。後口は渋みに加えてバニラの風味もあります。アルコール度数が高いのは感じられますがパンチは弱く、しっかりとアルコールを感じながらも飲みやすくなっています。熟成年数の成せる技なのでしょう。

ハイボールは、ノンエイジの山崎と同じような分量で作ると濃いすぎました(笑)味も香りも多層多様で意図的に量を減らしたほうがハイボールとしては正解かも。シェリー樽感を強く感じる酸味と渋みがとても上品で心地よく、すごく美味しいです。が、ハイボールで飲んではもったいないですね。
【飲み比べ】
「シングルモルト山崎(ノンエイジ)」(700mlで4,200円)と「シングルモルト山崎12年(本品)」(700mlで8,500円)の飲み比べをしてみます。
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色味:色味の違いはほぼありません。若干ノンエイジの方が濃いくらいです。

香り:単体ではあれほど良い香りだと感じたノンエイジ山崎も、山崎12年の前では霞んでしまいます。ノンエイジ山崎が青りんごなら、山崎12年は熟れた蜜リンゴで、山崎12年の方が数段熟成感が上回ります。12年のシェリー樽の甘酸っぱさと、ノンエイジのワイン樽の甘酸っぱさを比べると、ノンエイジの方は渋みも相まってくすんでいるように感じてしまいます。

あくまで山崎12年が素晴らしいのであって、「ノンエイジ山崎」は記事にも書いたとおり良いお酒ですけどね。

味:味以前に口に含んだ際の滑らかさやとろみがまず違います。味はノンエイジが最初に青りんごを感じ、その後、酸味と渋みを感じるのに対して、12年はまず華やかな甘酸っぱさを感じ、その後、蜂蜜のような麦芽の甘さを感じます。

評価:熟成感のある味わいに加えて舌触りの滑らかさも加味されて、あくまで私個人の感想ですが、ノンエイジでは逆立ちしても12年には勝てません。

ノンエイジは高額かつ貴重なシェリー樽原酒を使用せずに、ワイン樽原酒を使用することで比較的早期に酸味や渋みを出し、原酒の若さをカバーしつつシェリー樽原酒に近い香味を出そうとしているのではなかろうかと思います。

恐らくこれらの味の違いは設計思想の違いで、限られたコストや原酒で何とか代替的な美味しさを出そうと苦心しているノンエイジと、全力で美味しいものを作ろうとしている12年というところなのだろうと思います。倍の価格差があるわけですし、差はあって当たり前です。
【評価】
インターネットの書き込みや他の方のブログなどで、「◯千円出さないとサントリーの本気は見れない」という類のものを目にしていましたが、まさしくその通りです。サントリーの本気恐るべし。何度も繰り返しになりますが、ノンエイジ山崎が質の低いお酒なのではなく、山崎12年が素晴らしく美味しいのです。

ノンエイジ山崎すごく美味しいけど、そうか、サントリーが本気だすとこんなに美味しいウイスキーが作れるのか…という感じです。

フルボトルで8,500円という価格は相当な勇気のいるものですが、価格に見合う価値があります。コストパフォーマンスは良いとは言えませんが、本当に美味しいウイスキーです。
【リピート】
お財布の中身と入念な相談が必要ですが、上位品の山崎18年の価格(25,000円)を考えると、どうにかフルボトルで購入して飲めるけっこうギリギリのラインが本品だと思います。これ以上は清水の舞台から飛び降りる必要があります。

それでは今回はこの辺で。

(=゚ω゚)ノジャ、マタ!!
|彡。゚+.*:.サッ