皆さんこんばんは、ポッキーです。

今日はビアスピリッツを飲みます(∩´∀`)∩

本日飲むのは岡山県は岡山市の宮下酒造株式会社が製造する、「ビア・スピリッツ独歩 陶器ボトル(25度)」です。

アルコール度数40%のタイプのものもあるようなんですが、売り切れが続いており購入が叶っていません(´・ω・`)

宮下酒造㈱は大正4年(1915年)創業の比較的新しい酒造会社です。

IMG_0002IMG_0003
IMG_0004IMG_0005
主として日本酒を製造する酒造メーカーではあるのですが、「酒業界に独歩せよ」の経営理念の下で「限りなき挑戦」を社是に攻めの経営を続けており、今では清酒、焼酎、ビール、発泡酒、リキュール、スピリッツ、ウイスキーの製造を行う総合酒類メーカーとなっています。

宮下酒造 岡山蒸溜所」で「シングルモルトウイスキー岡山」などのウイスキーの製造を開始していることや、ウイスキーは熟成に相応の年数を要し製品化に時間が必要なことから、「クラフトジン 岡山」などのスピリッツを製造していることは以前の記事にも書いています。

そんな宮下酒造㈱ですが、岡山蒸溜所開設前からステンレス製の蒸溜器を使用して、焼酎等の蒸溜酒の製造も行っています。

その蒸溜酒の一つが、本日飲む「ビア・スピリッツ独歩 陶器ボトル(25度)」です。

ビアスピリッツですからビールを蒸溜したものということは理解できるんですが、現実にはこれまで飲む機会はおろか見ることも話に聞くことも正直ありませんでした。

麦の醸造酒を蒸溜するわけですから感覚的にはウイスキーに近しいものになるはずですが…

ビールに付き物のホップが入っていることでどうなるのか、ビールと蒸溜前のウイスキーであるウォッシュはどの程度、違うものなのか、ウイスキーは硫黄化合物等の除去のために銅製の蒸溜器で蒸溜することが一般的ですが、これを焼酎用のステンレス製蒸溜器で行うとどうなるのか、などなど、

疑問が噴き出してくるばかりで、改めてさっぱりわからないなと(ノ∀`)

硫黄化合物については、ステンレス製蒸溜器を使用して蒸溜された「シングルモルトウイスキー岡山」はなかなか厳しいものがありましたので、その点では本品も不安に思います。

一方でステンレス製蒸溜器で蒸溜することが一般的な焼酎が硫黄系の香りで飲むのがツラいかというとそうでもなく…じゃあビアスピリッツではどうなんでしょうかね。

答えは「飲めばわかる」でしょうか(笑)

私の粗末な鼻と舌では難しいかもしれませんが(ノ∀`)

製品紹介は以下の通りです。

ビア・スピリッツ独歩 陶器ボトル(25度)はドイツ産麦芽を100%使用して醸造した独歩ビールを単式蒸留し、熟成用樫樽に10年以上熟成させた蒸留酒類です。ビールを蒸留したものとしてはおそらく日本初ではないかと考えられます。香りはビール由来の麦の香りと樽由来の甘い香りが調和し、何とも言えない心地よさを感じていただけます。また、味は熟成した上品な甘みの中に、ウイスキーとは異なるビア・スピリッツの特徴であるアロマホップのスパイシーなアクセントがきいております。最高級の味と香りをお楽しみいただけます。

[ ビア・スピリッツとは? ]
スピリッツとは一般的にはウィスキーやブランデーを除いた蒸留酒のことをいいます。ホップの入ったビールを蒸留したビア・スピリッツは、発芽させた穀類(主に麦芽)を糖化発酵させ蒸留したウィスキーとは異なります。ビア・スピリッツは、世界的にベルギーやフランスで数件見られる程度で、ビア・スピリッツ オールド・独歩は大変希少価値の高い商品です。

それでは早速、飲んでみましょう(*゚∀゚)

名称:ビア・スピリッツ独歩 陶器ボトル(25度)
種類:ビアスピリッツ
製造:宮下酒造株式会社(岡山県岡山市)
容量:720ml 25%
価格:3,000円(税別)

【ストレート】


ゴム、焦げた金属、硫黄など、それ系の香り(笑)ただ、そこまで強烈なものではなくまだ許容範囲では。

いちご、ラズベリー、赤ワイン、軽めのメープルシロップ、木材、バニラの香りなどシェリー樽や樽材の木の香り、オートブランや麦殻を思わせる麦芽の穀物香も感じられます。

時間経過でとろりとした赤ワインやシェリー酒を思わせる香りが強まる印象で、この部分はなかなか良い感じ(∩´∀`)∩

口に含むと、粘性は弱めで少しひりつくアルコール感があります。

ゴム、焼けた金属、硫黄などそれ系の風味、杏や琥珀色の白ワイン、皮付きのぶどうを思わせるフルーティさ、カラメルソースや樹液を思わせる煮詰まったビタースイートバニラウエハースを思わせる風味を感じます。


香り、味ともに、シェリー樽のネガティブな要素、あるいは銅製ポットスチルを使用しないことによるゴム、焼けた金属、硫黄といった風味が感じられます。

ポットスチルの影響はそこまで過剰でないことも含めて想定通りでしたが、やはり香りでも味でもきっちり感じられます。

とはいえ飲むのが苦痛になるような強烈なものではなく、許容範囲の中には収まっているようには思いますが、特に味の面では樽由来の部分はともかく麦芽由来の風味が硫黄系の風味に糊塗されてしまっている印象で、そこはせっかくのシングルモルトなのにもったいないかな、と。

樽系の要素は濃密なフルーティさでけっこう良い樽を使用しているのかなと思わせてくれる部分と、ゴムなどのネガティブな要素を感じる部分がありました。

このネガティブな要素はそもそも樽自体がどうしようもないのか、樽×封入する原酒の個性や樽×熟成環境で決まるなど、樽以外の要素も絡む、つまりどうにかしようがある部分なのか、どうなんでしょうね。

後口や余韻はそれ系の香味を除けばすっきりキレイに棚引いていってくれそうで、今後、銅製のポットスチルで蒸留された原酒については結構期待できるんじゃなかろうかと思います。

ステンレス製ポットスチルの影響はどうしようもないとして、それ以外の造りは元来、醸造酒も蒸留酒も製造する総合酒類メーカーですし、大きな不安はなさそうです。

岡山蒸留所ではシェリー、ブランデー、バーボン、ホワイトオークの他、ミズナラに代表される国産木樽など10種類以上の木樽で熟成させているそうですが、当然まだまだ発展途上、様々な試みを繰り返している段階だろうと思います。

今後、樽の調達や様々な樽で熟成させた原酒のブレンドが安定してくれば、樽由来のネガティブな要素も抑制できてくるんじゃないでしょうか。


【加水】
少量加水(ペットボトルのキャップに1/5程度)すると、



いちごジャム、ラズベリー、焦げた金属、樹液、樽材の木の香り、オールブラン、ウェハース、バニラを思わせる香りを感じます。

スチル由来系の香りは思ったより後退してくれる印象です。

口に含むと、ストレートよりもむしろ口当たりにとろみを感じる印象、硫黄系の風味とミーティな風味、琥珀色のワイン、白ぶどう、チョコレートにバニラ、オールブランなど麦芽のコクを感じます。

ステンレス製ポットスチル故の香味は加水で幾分やわらいでくれますので、好みで加水して飲むのも良さそうです。

原酒の若さはシェリー樽やブランデー樽からの香味が上手に糊塗してくれている感じで、若い割りには荒々しさを感じずに飲みやすいですね(∩´∀`)∩

日本で、それも西日本の岡山県での熟成ですから、スコットランドなどよりも早くに熟成が進んでいくであろうことも影響していそうです。


トワイスアップ(1:1加水)にすると、



硫黄にゴム、焦げた金属、ふすま麦、籾殻、軽めのチョコレート、軽めのチェリーブランデーを思わせる香りを感じます。

加水量を増やすことで樽系の香味が薄まり、再びスチル系の香味が出てくる感じ(笑)

同時に麦系の香りも目立ちやすくなり、穀物香がきちんと感じられます。

口に含むと、若干のとろみを感じますが強い香味は薄れています。樽材のエグみや少しのスパイシーさ、薄手の琥珀色のワイン、硫黄や焦げた金属、麦芽糖を思わせる甘みを感じます。

トワイスアップまで加水するとかなり薄べったくなってしまう印象。

諸々薄まって樽材の風味、スチル系の風味が主体ですが、安ブレンデッドと違ってシングルモルトですので、麦芽糖など麦系の風味は残されています。

原酒が若い分、熟成感に欠けて薄べったく感じますが、そこはこれからに期待するところですよね(´∀`*)


【ロック】

オンザロックにすると、




チョコレートや煮豆、軽めの硫黄やゴム、シェリー酒やブランデー、パイナップルに琥珀系ワイン、麦芽糖、ほんのり樽材の木の香りを感じます。

口に含むと、硫黄にゴム、詰んだ樹液、チョコレート、パイナップルに白ワイン、オールブラン、麦芽糖を思わせる甘みを感じます。

香りは良い感じだったんですが、味の面ではスチル系の香味が目立つ印象で、正直ツライ(ノ∀`)

それがなければかなり美味しく飲めそうなので、将来に期待する反面、もったいない感じ。


ハーフロックに(トワイスアップをオンザロックに)すると、



硫黄にゴム、少し肉類、薄くパイナップルや琥珀系ワイン、軽めのチョコレートや樽材の木の香り、麦芽糖を思わせる甘みを感じます。

口に含むと、硫黄やゴムを思わせる風味は健在ですがやや薄まります。麦芽糖、薄くパイナップルや琥珀色の白ワイン、薄手の樽材の木の風味を感じます。

加水等で薄まることで、硫黄やゴム系の風味も薄れますのでそこは良い感じ。麦芽のコクが後口に感じられ、割合、厚みが感じられます。

現状ではハーフロックや水割りに向いているウイスキーかもしれませんね。

【その他】

ハイボールにすると、




硫黄、薄手のゴム、レモンや乳酸発酵系の酸味、ラズベリー、琥珀色の白ワイン、オールブラン、軽めの樽香を感じます。
口に含むと、うっすらと硫黄やゴム、かなり薄まっています。レモンや乳酸発酵系の酸味、麦芽糖、穀物のコク、軽い樽香、薄くシェリー酒やブランデー、ほんのり琥珀系ワインを思わせる風味を感じます。

どこまで行っても硫黄やゴムの香味から逃れられませんが、ハイボールではかなり割材の量が多い分ごまかせており、カットレモンやオレンジスライスなんかを加えるとそこまで気にならずに飲めてしまうのではという気になりました。

【感想】



概ね想定通りのポットスチルや樽の影響を随所に感じてしまう、発展途上のウイスキー。

後口や余韻をはじめとする香味のキレイさ、意外に濃密なフルーティさを放つ樽系の要素など、今後、ポットスチルを中心に樽やブレンドなどが洗練されていくことで期待できそうな要素もきちんとありました。

今は発展途上ですが、いずれきっちり美味しいウイスキーを飲ませてくれるであろうと期待の持てる途上にあると思います(^∀^)

シェリー、ブランデー、ミズナラなど、どちらかといえば希少な樽を中心にしているのは、生産量の少ないマイクロディスティラリーならではの戦法かもしれません。

個人的には新興蒸留所の中でもかなり期待しています。オリンピックイヤーが待ち遠しくて仕方ないですね(笑)

【リピート】



しませんが、将来をとても楽しみにしています(∩´∀`)∩


それでは今回はこの辺で。

(=゚ω゚)ノジャ、マタ!!
|彡。゚+.*:.サッ



|ω・)チラ
ランキングに参加中です。お気に召されましたら、クリックいただけると幸いです(∩´∀`)∩

人気ブログランキングへ

にほんブログ村 酒ブログ 家飲みへ
にほんブログ村 酒ブログ 洋酒へ
にほんブログ村へ

|彡。゚+.*:.サッ