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皆さんこんばんは、ポッキーです。

今日は岡山県の地ウイスキーを飲みます(∩´∀`)∩
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本日飲むのは岡山県は岡山市の宮下酒造株式会社が製造する、「シングルモルトウイスキー岡山」です。

宮下酒造㈱は大正4年(1915年)創業の比較的新しい酒造会社です。

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主として日本酒を製造する酒造メーカーではあるのですが、「酒業界に独歩せよ」の経営理念の下で「限りなき挑戦」を社是に攻めの経営を続けており、今では清酒、焼酎、ビール、発泡酒、リキュール、スピリッツ、ウイスキーの製造を行う総合酒類メーカーとなっています。

平成7年の地ビール業界への進出は中国地方で初だったそうで、以前に「地ビール独歩 ピルスナー」を飲んだことがあります。

地ビールは上面発酵(エール)主体の「倉敷麦酒」、下面発酵(ラガー)主体の「独歩」の2ブランドで多数のビアスタイルを展開しており、それだけでも面白いのですが、「ビアスピリッツ」というビールを蒸留して樽熟成させた蒸留酒も製造しているなど、ビール一つとっても面白い企業です。

本業の日本酒では酒米の一割五分まで精米した驚異のお酒も製造していますし、昨今、流行りのクラフトジンの製造も行っています。

そんな進取の気性に富んだ宮下酒造㈱は、2011年にウイスキー製造にも進出、本日飲む「シングルモルトウイスキー岡山」が同社岡山蒸留所の第一号製品となります。

他の後発地ウイスキーメーカーは樽熟成を経ていないニューポットや、3年未満も短期間のみ熟成したニューメイクの販売に留まっているところが多く、海外から輸入した原酒に頼っている企業もあります。

宮下酒造㈱は地ウイスキーメーカーとしては早期にウイスキー製造に進出したこともあり、本日飲むのは名前の通りシングルモルトウイスキー、単一の蒸留所で蒸留された原酒のみを使用したウイスキーであり、その蒸留所は海外のものではなく、岡山県の岡山蒸留所というわけです.。゚+.(・∀・)゚+.゚

製品紹介は以下の通りです。

岡山県産の二条大麦麦芽を発酵・蒸留し、3~5年貯蔵熟成させたシングルモルトウイスキーです。シェリーやブランデーを思わせる上品な香りと混じりけのない爽やかで純粋な味わいをお楽しみください。

というわけで最低でも3年の熟成期間を経ている、どこに出しても恥ずかしくないであろうウイスキーです(´∀`*)

ただし、岡山蒸留所が銅製のポットスチルを導入したのは2015年7月のことで、それまで同蒸留所では焼酎製造用のステンレス製ポットスチルを共用していました。

本品の発売は2017年7月ですので、最低3年の熟成となると銅製ポットスチルで蒸留された原酒は使用されていないことになります。

先般、岡山蒸留所を訪問した際にも確認しましたが、本品は全量ステンレス製ポットスチルで蒸留された原酒となります(ノ∀`)

銅製のポットスチルで蒸留すると蒸留で発生する硫黄化合物などを銅が吸着してくれるようですが、ステンレス製ではそうはいかず、そうなるとウイスキーの香味の系統としては以前の若鶴酒造やモンデ酒造のものに近くなってくるのでしょうか(笑)

改修前の若鶴酒造や、モンデ酒造のものほど設備は古くなかろうかと思いますので、あそこまで強烈にはならないかなとも思う反面、そうはいっても最長5年程度しか熟成していない原酒ですので、若さから来るものも強烈そうだなとも思います(笑)

銅製ポットスチルで蒸留された原酒はまた将来の楽しみにとっておくことにして、ひとまず今回は新興蒸留所の第一号シングルモルトウイスキーを飲めることに感謝して楽しもうと思います(・∀・)

それでは早速、飲んでみましょう(*゚∀゚)

名称:シングルモルトウイスキー岡山
種類:シングルモルトジャパニーズウイスキー
製造:宮下酒造株式会社(岡山県岡山市)
容量:700ml 43%
価格:16,200円(税込)
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凄まじい価格だとは思いますが、他の地ウイスキーメーカーが未熟成のニューポットをフルボトル6,000円とか200mlで2,500円とかで販売している状況を見てしまうと、マシに思えてしまいますね(ノ∀`)

将来美味しいウイスキーを飲ませてもらうためのお布施と割り切りましょうね( ´_ゝ`)

【ストレート】
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ゴム、焦げた金属、硫黄など、それ系の香り(笑)ただ、そこまで強烈なものではなくまだ許容範囲では。

いちご、ラズベリー、赤ワイン、軽めのメープルシロップ、木材、バニラの香りなどシェリー樽や樽材の木の香り、オートブランや麦殻を思わせる麦芽の穀物香も感じられます。

時間経過でとろりとした赤ワインやシェリー酒を思わせる香りが強まる印象で、この部分はなかなか良い感じ(∩´∀`)∩

口に含むと、粘性は弱めで少しひりつくアルコール感があります。

ゴム、焼けた金属、硫黄などそれ系の風味、杏や琥珀色の白ワイン、皮付きのぶどうを思わせるフルーティさ、カラメルソースや樹液を思わせる煮詰まったビタースイートバニラウエハースを思わせる風味を感じます。


香り、味ともに、シェリー樽のネガティブな要素、あるいは銅製ポットスチルを使用しないことによるゴム、焼けた金属、硫黄といった風味が感じられます。

ポットスチルの影響はそこまで過剰でないことも含めて想定通りでしたが、やはり香りでも味でもきっちり感じられます。

とはいえ飲むのが苦痛になるような強烈なものではなく、許容範囲の中には収まっているようには思いますが、特に味の面では樽由来の部分はともかく麦芽由来の風味が硫黄系の風味に糊塗されてしまっている印象で、そこはせっかくのシングルモルトなのにもったいないかな、と。

樽系の要素は濃密なフルーティさでけっこう良い樽を使用しているのかなと思わせてくれる部分と、ゴムなどのネガティブな要素を感じる部分がありました。

このネガティブな要素はそもそも樽自体がどうしようもないのか、樽×封入する原酒の個性や樽×熟成環境で決まるなど、樽以外の要素も絡む、つまりどうにかしようがある部分なのか、どうなんでしょうね。

後口や余韻はそれ系の香味を除けばすっきりキレイに棚引いていってくれそうで、今後、銅製のポットスチルで蒸留された原酒については結構期待できるんじゃなかろうかと思います。

ステンレス製ポットスチルの影響はどうしようもないとして、それ以外の造りは元来、醸造酒も蒸留酒も製造する総合酒類メーカーですし、大きな不安はなさそうです。

岡山蒸留所ではシェリー、ブランデー、バーボン、ホワイトオークの他、ミズナラに代表される国産木樽など10種類以上の木樽で熟成させているそうですが、当然まだまだ発展途上、様々な試みを繰り返している段階だろうと思います。

今後、樽の調達や様々な樽で熟成させた原酒のブレンドが安定してくれば、樽由来のネガティブな要素も抑制できてくるんじゃないでしょうか。


【加水】
少量加水(ペットボトルのキャップに1/5程度)すると、いちごジャム、ラズベリー、焦げた金属、樹液、樽材の木の香り、オールブラン、ウェハース、バニラを思わせる香りを感じます。

スチル由来系の香りは思ったより後退してくれる印象です。

口に含むと、ストレートよりもむしろ口当たりにとろみを感じる印象、硫黄系の風味とミーティな風味、琥珀色のワイン、白ぶどう、チョコレートにバニラ、オールブランなど麦芽のコクを感じます。

ステンレス製ポットスチル故の香味は加水で幾分やわらいでくれますので、好みで加水して飲むのも良さそうです。

原酒の若さはシェリー樽やブランデー樽からの香味が上手に糊塗してくれている感じで、若い割りには荒々しさを感じずに飲みやすいですね(∩´∀`)∩

日本で、それも西日本の岡山県での熟成ですから、スコットランドなどよりも早くに熟成が進んでいくであろうことも影響していそうです。


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トワイスアップ(1:1加水)にすると、硫黄にゴム、焦げた金属、ふすま麦、籾殻、軽めのチョコレート、軽めのチェリーブランデーを思わせる香りを感じます。

加水量を増やすことで樽系の香味が薄まり、再びスチル系の香味が出てくる感じ(笑)

同時に麦系の香りも目立ちやすくなり、穀物香がきちんと感じられます。

口に含むと、若干のとろみを感じますが強い香味は薄れています。樽材のエグみや少しのスパイシーさ、薄手の琥珀色のワイン、硫黄や焦げた金属、麦芽糖を思わせる甘みを感じます。

トワイスアップまで加水するとかなり薄べったくなってしまう印象。

諸々薄まって樽材の風味、スチル系の風味が主体ですが、安ブレンデッドと違ってシングルモルトですので、麦芽糖など麦系の風味は残されています。

原酒が若い分、熟成感に欠けて薄べったく感じますが、そこはこれからに期待するところですよね(´∀`*)


【ロック】
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オンザロックにすると、チョコレートや煮豆、軽めの硫黄やゴム、シェリー酒やブランデー、パイナップルに琥珀系ワイン、麦芽糖、ほんのり樽材の木の香りを感じます。

口に含むと、硫黄にゴム、詰んだ樹液、チョコレート、パイナップルに白ワイン、オールブラン、麦芽糖を思わせる甘みを感じます。

香りは良い感じだったんですが、味の面ではスチル系の香味が目立つ印象で、正直ツライ(ノ∀`)

それがなければかなり美味しく飲めそうなので、将来に期待する反面、もったいない感じ。

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ハーフロックに(トワイスアップをオンザロックに)すると、硫黄にゴム、少し肉類、薄くパイナップルや琥珀系ワイン、軽めのチョコレートや樽材の木の香り、麦芽糖を思わせる甘みを感じます。

口に含むと、硫黄やゴムを思わせる風味は健在ですがやや薄まります。麦芽糖、薄くパイナップルや琥珀色の白ワイン、薄手の樽材の木の風味を感じます。

加水等で薄まることで、硫黄やゴム系の風味も薄れますのでそこは良い感じ。麦芽のコクが後口に感じられ、割合、厚みが感じられます。

現状ではハーフロックや水割りに向いているウイスキーかもしれませんね。

【その他】
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ハイボールにすると、硫黄、薄手のゴム、レモンや乳酸発酵系の酸味、ラズベリー、琥珀色の白ワイン、オールブラン、軽めの樽香を感じます。
口に含むと、うっすらと硫黄やゴム、かなり薄まっています。レモンや乳酸発酵系の酸味、麦芽糖、穀物のコク、軽い樽香、薄くシェリー酒やブランデー、ほんのり琥珀系ワインを思わせる風味を感じます。

どこまで行っても硫黄やゴムの香味から逃れられませんが、ハイボールではかなり割材の量が多い分ごまかせており、カットレモンやオレンジスライスなんかを加えるとそこまで気にならずに飲めてしまうのではという気になりました。

【感想】
概ね想定通りのポットスチルや樽の影響を随所に感じてしまう、発展途上のウイスキー。

後口や余韻をはじめとする香味のキレイさ、意外に濃密なフルーティさを放つ樽系の要素など、今後、ポットスチルを中心に樽やブレンドなどが洗練されていくことで期待できそうな要素もきちんとありました。

今は発展途上ですが、いずれきっちり美味しいウイスキーを飲ませてくれるであろうと期待の持てる途上にあると思います(^∀^)

シェリー、ブランデー、ミズナラなど、どちらかといえば希少な樽を中心にしているのは、生産量の少ないマイクロディスティラリーならではの戦法かもしれません。

個人的には新興蒸留所の中でもかなり期待しています。オリンピックイヤーが待ち遠しくて仕方ないですね(笑)

【リピート】
しませんが、将来をとても楽しみにしています(∩´∀`)∩


それでは今回はこの辺で。

(=゚ω゚)ノジャ、マタ!!
|彡。゚+.*:.サッ



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